こんにちは、もなよ(@monayoVR)です。
VRChatでフルトラッキングを行う場合には別途機材が必要になります。
その際、ワイヤレス(無線接続)で、なおかつ安く購入できるのがHaritoraXワイヤレスです。
そこで今回は、
・HaritoraXワイヤレスの概要や特徴
・実際に使ったメリット・デメリット
をまとめました!
実際に使っている動画も撮影したので、購入を検討している人は合わせて参考にしてください。
本記事はHaritoraXワイヤレス保有者の方と協力して作成しました。
※2025年6月1日現在、HaritoraXワイヤレスは販売を終了しており、現在は後継機のHaritoraX2が販売されています。
HaritoraXワイヤレスの概要・スペック

品名 | HaritoraXワイヤレス |
価格 | 39,999円(税込) |
接続方法 | Bluetoothまたは専用ドングル |
動作時間 | 約20時間 |
充電方法 | USB Type-C端子 |
トラッキングポイント | 胸・腰・両ひざ・両足首(必要に応じて両肘) |
センサー | 加速度・角速度・地磁気センサー(9軸IMU)足首部:上記センサー+ToFセンサー |
HaritoraXワイヤレスは、株式会社Shiftallが開発した、VR空間で全身トラッキングを可能にするデバイスです。
有線版のHaritoraX1.1と比較すると、使い勝手が向上しており、ケーブルによる制約がないため、自由な動きが可能です。

価格は39,999円で、「胸・腰・両ひざ・両足首」の合計6個のトラッキングが梱包されています。
サイズは3センチ程度で、1個あたりの重さは120g程度。
装着する際の若干の締め付け感はありますが、重さを感じることはありません。
軽量かつ装着が簡単で、多くのVRシステムと互換性があるデバイスです。
もちろんのこと、VRChatでも使うことができます。
HaritoraXワイヤレスの特徴
HaritoraXワイヤレスは、有線接続のHaritoraX1.1に比べると、さまざまな特徴があります。
それぞれ紹介すると、以下の通りです。
【HaritoraXワイヤレスの特徴】
- ワイヤレス対応
- 足首関節の動きを反映できる
- 複数のVRシステムとの互換性
- 長時間バッテリー
購入を検討している人は、それぞれ把握しておきましょう。
ワイヤレス対応
HaritoraXワイヤレスの最大の特徴は、無線接続できる点です。
従来の有線モデルでは、ケーブルが体の動きを制限する場合がありました。
しかし、ワイヤレス版ではその心配はなく、体の動きをそのまま反映できます。
こちらが、実際にHaritoraXワイヤレスを装着して撮影した動画になります。
有線接続では制限されていた、360度の動きやジャンプなど、ワイヤレス接続でしかできない動きが可能です。
VRChatで使う場合、激しい動きやダンスが必要なシーンで本来のパフォーマンスを発揮できます。
ケーブルを気にせずに動けるため、よりアクティブな動きもスムーズにできるのは、HaritoraXワイヤレスならではの特徴といえるでしょう。
足首関節の動きを反映できる
HaritoraXワイヤレスは、VR内で足首の動きを正確にトラッキングします。

画像引用元:株式会社Shiftall
HaritoraXワイヤレスの足首トラッカーには、ToFセンサーと呼ばれる距離を計測するセンサーが入っています。
このセンサーにより、別途足の甲にトラッカーを設置することなく、足首の動きを再現できるわけです。
足首関節の動きが反映されると、歩行やダッシュといったアクションもリアルに再現されます。
VRChatには、リズムゲームやスポーツゲームなどのワールドがあるため、そこでHaritoraXワイヤレスを装着すると、さらに高い没入感を味わえます!
複数のVRシステムとの互換性
HaritoraXワイヤレスは、SteamVRやVRChatなど、複数のVRシステムと互換性があります。
特定のプラットフォームに依存せず、さまざまなVRコンテンツで使用できることは強みといえるでしょう。
例えば、VRChatでは他のユーザーとのコミュニケーションをしたり、イベントに参加したりします。
その際、HaritoraXワイヤレスを使用すれば、3点トラッキングでは制限される動きも、忠実に再現できます。

こちらは、実際にHaritoraXワイヤレスを使用してVRChat内で撮影した写真です。
3点トラッキングでは、上半身と下半身で別々の動きはできませんが、フルトラッキングだと可能になります。
よりワールドに没入したい人や、リアルさを求める人にはぜひおすすめしたい機材です!
長時間バッテリー
HaritoraXワイヤレスは、バッテリーの持続時間が長く、長時間の使用にも耐えられる設計がされています。
公式サイトの情報によると、1回の充電にかかる時間は1時間40分と短め。

それも、一つの充電器ですべてのトラッカーが充電できる特殊なUSBケーブルが付属しているので、手間もかかりません。
充電後は、約20時間持続します。
有線接続のHaritoraX1.1は、1回の充電で10時間稼働するので、約2倍充電が長持ちする計算です。
途中でバッテリー切れを心配せずにプレイでき、VRChatの長時間イベントでも安定した使用ができます。
HaritoraXワイヤレスのメリット・デメリット
HaritoraXワイヤレスは、以下のメリット・デメリットがあります。
【HaritoraXワイヤレスのメリット・デメリット】
- メリット:そのほかフルトラ機材に比べると安い
- メリット:締め付けられている感がない
- メリット:高性能な動きに対応している
- デメリット:電波の影響を受けやすい
- デメリット:ベルトがやや外れやすい
- デメリット:30分に1回程度はキャリブレーションが必要
コスパがいいフルトラッキング機材ですが、デメリットも把握したうえで購入を検討することが大切です。
メリット:そのほかフルトラ機材に比べると安い
HaritoraXワイヤレスは、他のフルトラッキングデバイスと比較すると、比較的安い価格で販売されています。
代表的なフルトラッキング機材の価格帯をまとめたので、以下の比較表を参考にしてください。(9点トラッキングした場合の価格になります)
機材 | 価格 |
HaritoraXワイヤレス | 39,999円(税込) |
VIVEトラッカー | 約80.000円~ |
mocopi | 44,400円(税込) |
Uni-motion | 39,800円(税込) |
全身トラッキングを本格的に体験したい人で、高価なデバイスに手が出せないというユーザーにとっては、おすすめの方法です。
mocopiやUni-motionも魅力的ですが、トラッキング精度の高さとつけやすさを考えると、HaritoraXワイヤレスをおすすめします。
メリット:締め付けられている感がない
HaritoraXワイヤレスは、軽量な設計と柔らかいベルト素材を使用しており、長時間の装着でも締め付け感が少ないことが特徴です。
また、ベルトも調整できるようになっており、少しキツくなったら緩められます。

画像引用元:株式会社Shiftall
優先タイプのHaritoraX1.1は、全身に巻き付けるように装着するため、締め付けられている感じが強いです。
一方、HaritoraXワイヤレスは、小型でなおかつベルトも小さいことから、その感覚はほとんどありません。
柔らかい素材のおかげで、動きの制限を感じることなく、自然な動作をVR内で再現できる点も大きな利点です。
フィット感が高く、違和感なく長時間のプレイにも耐えられます!
メリット:高性能な動きに対応している
HaritoraXワイヤレスは、VR内での細かい動作やダイナミックな動きに対応できる高精度なトラッキング性能を持っています。
VRChatを例にあげるなら、スポーツ系のワールドやダンス系のワールド、イベントなどで大きく活躍します。

さらに、HaritoraXの設定では、動作モードと足首の動きを設定できます。
VRChatでフレンドと話す程度なら、モード2のデフォルトの動きがおすすめです。
逆に、イベントやダンスをするなら、モード1を選択しましょう。
そして、精密な動きを再現したい場合は、足首の動きを検知させると、よりリアルな動作になります。
デメリット:電波の影響を受けやすい
HaritoraXワイヤレスは無線接続なので、電波の干渉を受けやすいというデメリットがあります。
接続形式はBluetooth接続で、Bluetooth機器か専用のドングルが必要です。
Bluetoothも、HaritoraXワイヤレスに対応しているものではないと、正しく接続ができない場合があります。

筆者は、こちらのBluetooth機器と専用ドングルを使用しています。
電波の強度でいうと、Bluetooth接続よりも、専用ドングルのほうが安定している印象です。

画像引用元:株式会社Shiftall
最大6トラッカーまで接続可能で、こちらのドングルを購入すれば、別途Bluetooth機器を購入する必要はありません。
しかし、Wi-Fi環境が混雑している場所や、多くのデバイスが同時に接続されている場所では、トラッキングの精度に影響が出る場合があります。
遅延が生じたり、トラッキングが一時的に途切れたりすることがあるため、安定した電波環境が必要です。
デメリット:ベルトがやや外れやすい
HaritoraXワイヤレスは、装着する際にベルトで固定しますが、動いているときに外れやすいというデメリットがあります。

こちらが装着部分で、留め具はなく反対側のフックに引っ掛けるタイプになっています。
そのため、激しい動作を伴う場合や、長時間の使用では、途中でベルトが緩んでしまうこと定期的に締め直す必要があります。
しかし、使用した感想をいうと、強く締めすぎると痛くなるので注意が必要です。
さらに、強く締めすぎると、逆に外れやすくなることから、自分の体のサイズに合わせた調整をしましょう。
デメリット:30分に1回程度はキャリブレーションが必要
これには個人差がありますが、HaritoraXワイヤレスは、トラッキングの精度を保つために、30分に1回程度のキャリブレーションが必要です。
VRChatをしている際、時間がたつにつれて、動きがややおかしくなります。
ワールドにもよりますが、普通に雑談していても、定期的なキャリブレーションが必要です。
ちなみに、筆者がキャリブレーションをするときは、新しくワールドに入ったタイミングでしています。
一度キャリブレーションをすると、30分~1時間程度は持ちます。


HaritoraXワイヤレスのキャリブレーションは簡単で、立った状態でトリガーを5回、しゃがんだ状態でトリガーを5回押すと完了です。
HaritoraX側でキャリブレーションをしたら、VRChatのトラッキングを選択して、Tポーズで位置を調整しましょう。
キャリブレーションを怠るとトラッキングのずれが発生するため、正確な動きを求めるユーザーには欠かせません。
HaritoraXワイヤレスの肘トラッキング拡張セットは必要?
HaritoraXワイヤレスは、「胸・腰・両ひざ・両足首」のトラッキングが可能ですが、肘の動きを反映させるためには、肘トラッキング拡張セットが必要です。

画像引用元:株式会社Shiftall
通常のトラッキングセットとは別に購入が必要で、13,900円(税込)です。
また、専用ドングルは6トラッカーまでしか接続できないので、別途ドングルを購入するかBluetooth接続機器を購入する必要があります。
肘トラッキングを使用すると、上半身の動作をより正確に再現できるのでおすすめです。
【肘トラッキング使用】
【肘トラッキング未使用】
こちらは、実際に肘トラッキングを使用している場合と、使用していない場合の動作の差です。
肘トラッキングを使っているほうが、可動域が広くなります。
VRChatで、より精密で細かい動きを再現したいなら、購入をおすすめします。
まとめ
HaritoraXワイヤレスは、全身トラッキングを実現し、VR体験をよりリアルにするデバイスです。
・ワイヤレスによる自由度の高さ
・長時間のバッテリー持続時間
などの特徴があります。
価格や装着感も優れている一方で、電波の影響やキャリブレーションの頻度に注意が必要です。
自分の用途や環境に合わせて、デバイスを選びましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました!
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