VRChat用に好みのアバターを買ったけど、対応衣装が少ない…という悩みを抱えている方は多いと思います。
非対応衣装を着せるとなると、Blenderでの調節やUnityでのスケール調整など、何かと手間がかかります。
場合によっては、アバターがクラッシュしてしまうことも。

その際に便利なのが、キメラ改変です。
キメラ改変とは、アバターの頭を入れ替える改変のこと。
高度な改変なんじゃないか?と思われがちなキメラ改変ですが、
実はツールを使えばすぐに完了します。
今回は、キメラ改変に必要なツールや、キメラ改変を行う際の具体的な手順をまとめました。
本記事は改変が得意な方と協力して作成しました!
キメラ改変とは?


冒頭で説明した通り、キメラ改変は、アバターの頭部を別のアバターの体に付け替える改変のことです。
多くの場合、非対応衣装を着せたり、アバターのシェイプキー(BlendShapeキー)の制限をなくす目的で行います。
キメラ改変をするメリット
非対応衣装を着せらせる
キメラ改変の最大のメリットは、非対応衣装を着せられることです。
対応衣装の多さは、アバター購入の基準の一つにもなります。
例えば「萌」「マヌカ」といった超人気のアバターの場合対応衣装も多いですが、
マイナーアバターの場合対応衣装が少なく、対応衣装がBOOTHで1ページくらいしかなかったりします。
そこでキメラ改変して対応衣装が多いアバターの体と入れ替えると、対応衣装をそのまま使えるようになります。
シェイプキー制限の壁を無くし、改変の幅を広げる
シェイプキーの制限については、


例えば、「カリン」の場合、お胸のシェイプキーに制限があり、お胸を大きくする改変には限界があります。


そこで、「ウルフェリア」や、


「ミルティナ」といった、お胸が大きめのアバターの体と入れ替えることで、改変の幅が広がるようなイメージです。
キメラ改変を行う際には、各アバターの利用規約を確認しましょう。
アバターによっては、キメラ改変が禁止されている場合があるため、注意が必要です。
キメラ改変の準備


キメラ改変には、いくつか必要なツールがあります。
それぞれまとめると、以下の通りです。
- 入れ替えしたいと思っているアバター2種
- Modular Avatar
- 顔入れ替えツール
- Faceemo
色々な衣装を着せられるようにしたい場合は、萌やマヌカなどの対応衣装が多い素体にするとよいです。
また、着せ替えではModular Avatar(以下MA)を使用するのでこちらも用意しておきます。
デフォルトでインストールしている人が多いと思いますが、最新版を準備しておきましょう。
そして、キメラ改変はMAのみでも行うことは可能ですが、失敗せずスムーズに行いたい場合は顔の入れ替えツールがあったほうが便利です。
筆者がキメラ改変する際は、こちらのツールを使用しています。
有料で300円ですが、MAでキメラ改変をするよりも簡単で、バグが起きることはほとんどありません。
首の入れ替えが完了したら、表情の設定をする必要があるので、FaceEmoも入れておきましょう。
これで、キメラ改変の準備は完了です。
キメラ改変のやり方
キメラ改変は、アバターがクラッシュするデメリットもありますが、手順に沿っておこなえばスムーズに進みます。
MA単体を使用した方法もありますが、設定が複雑なので、今回はさたにあしょっぴんぐ様の「キメラメーカー 」を使用した手順を紹介します。
それぞれ手順をまとめると、以下のとおりです。
- アバター素体を2つ用意して頭部と体に分ける
- 「Kimera Maker」を開いてそれぞれをツールの中に入れてキメラを作成
- Faceemoにて表情設定
難しい手順は一切ないので、参考にしてください!
手順1.アバター素体を2つ用意して頭部と体に分ける
キメラ改変をするにあたって、アバター素体2つを用意します。
今回は、「白雨」と「Sio」でキメラ改変をしたいと思います。




UnityのHierarchyに、それぞれの素体を入れましょう。
2つ用意したら、それぞれのアバターを頭部と体に分けます。
今回は、「白雨」の頭部を「Sio」の体に入れ替えたいので、以下のように分けました。
この時点で、頭のサイズと体のサイズがあっていません。
そのため、自然になるようにスケールを調整します。
このように、全体的なバランスを見て、自然な等身になったらキメラ化の準備は完了です。
ツールを使って不自然にならないように、頭と首の位置を調整しておきましょう。
補足:それぞれのprefabの状態
キメラ改変では頭部と体に分けますが、それぞれのPrehubの状態は以下のようになっています。
白雨は頭部のみを残したいので、Armatureで「Head(髪の毛を含む)」以外を削除しています。
逆に、Sioは体のみを残したいので「Head」以外を削除しています。
手順2.「Kimera Maker」を開いてそれぞれをツールの中に入れてキメラを作成
準備が完了したら、事前にUnityにキメラメーカーのUnitypackageをインポートします。
すると、「さたにあしょっぴんぐ」というタブが出てくるので、こちらをクリックしましょう。
こちらのツールを使えば、頭部と体をそれぞれ入れてボタンを押すだけでキメラ改変ができます。
まず、左側に頭部のアバターを入れましょう。
(白雨の頭を入れます)
そして、右側に体用のアバターを入れます。
(用意しておいたSioの体を入れます)
すると、キメラを出力できるようになります。
出力したい名前を入力して、「キメラを作る」をクリックすると、キメラ化は完了です。
次に、ビューポイントの設定をしましょう。
生成されたキメラアバターを選択して、InspectorからViewをクリックします。
ビューポイントは、アバター視点なので、目の前あたりに調整しましょう。
手順3.Faceemoにて表情設定
最後に、Faceemoを使用して、表情設定をします。
Feceemoは、アバターの表情を設定できるツールで、両手含めて10パターン設定できます。
キメラ化が終わった状態では、設定されていないのでそれぞれ生成しましょう。
追加で表情を設定する場合は、右上のプラスマークを押します。
すると、条件が出てくるので、それぞれ設定します。
この場合、左手のNeutral(手を開いた状態)の表情設定です。
それぞれシェイプキーが用意されており、自由に設定できます。
表情設定が完了したら、VRCにアップしてキメラ化は完了です。
キメラ改変をする際の注意点
キメラ改変をする際は、いくつか注意点があります。
- アバター規約で禁止されている場合がある
- 見た目が不自然になる場合がある
これらの注意点を把握しながら、改変しましょう。
アバター規約で禁止されている場合がある
キメラ改変は、アバター規約によって禁止されている場合があります。
アバターのコンセプトを変えるような改変はNGで、具体例をあげるとほとぎ屋様の「くうた」があげられます。
こちらのアバターの利用規約を見ると、特記事項に以下の表記があります。
頭部・素体のすげ替えが禁止されており、キメラ化はNGです。
そのほかにも、アバターによっては、男性化・女性化が禁止されていることもあり、キメラ化する前に規約を確認しておくことが重要です。
見た目が不自然になる場合がある
キメラをする素体によっては、見た目が不自然になることも注意点の一つです。
例えばお胸が小さめなアバターにお胸が大きいアバターの体を使ったキメラ改変をする場合、そのまま素体を入れ替えただけでは不自然になります。
そのため、不自然にならないためにも、そのあとの改変にも力を入れましょう。
頭と体のバランスが悪い場合は、スケールの調整でいい感じになります。
その辺も含めながら、改変をすると、満足いくキメラ化ができます。
これらの注意点を守り、キメラ改変を楽しんで、アバター改変をより楽しみましょう!



最後まで読んでいただきありがとうございました!
Twitter(@monayoVR)では毎日VRやVRChatに関するツイートをしています。